イングレス夢十夜
September 26, 2019

【第十夜】 風 原

都心でGPSの位置取得がなかなかうまく行かず、再起動やGPSのON/OFFを繰り返していたら突然、知らないどこかに飛ばされる。周辺に見えるわずかなポータルを調べると、「風原」「Kajibaru」という地名がちらほら出てくる。

なかなか元に戻らないのでそのまま歩き始めると、スキャナの中でも自分がその場所を進む。

ある角を曲がった時ふと顔を上げると、そこは広大なさとうきび畑、点在する赤瓦の家、道の彼方には海。「Kajibaru」・・・かじばる・・・風原?ここは沖縄なのだろうか。

しばらく行くと数百メートル先に郵便局。ポータル名は「風原第二郵便局」。

近づいていってポータルがレンジに入ると、ADAがしゃべる。

──ここから手紙を出してください。パスコードが発行されます──

どこの誰宛てに手紙を出せばいいのか、何を書けばいいのか、パスコードはどのようにして受け取るのか、まったく分からないのだがとにかく葉書を買い、小さな郵便局の中で手紙を書き始める。

窓からは遅い午後の日差し。